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月刊「フォトコン」連載撮り下ろし企画(12月号)
12月号
〈解釈〉100
編集部から届いたテーマは漢字で「生命」。「セイメイ」と読むか「イノチ」と読むかで意味は変わる。どちらでも良いのだろうが、私はどちらとでも取れる作品が良いと考えた。
〈思考〉100
生きる力、生き続ける力、そしてその源に在るもの。生命とは何か。生命観について考えるとキリがないが、宗教的な生命観から生命を「命」としてとらえ表現することが可能ではないかと考えた。
〈表現〉100
今回のテーマに沿うように巨樹を表現しようと考えた場合、3枚組みが最もふさわしい。何故かは本文で記載するが、樹に宿る命の重々しさと神々しさを表現したいと考えた。都合上、ここでは1枚のみで見せる事にする。
〈ストーリー〉330
分類学の父リンネの『自然の体系』では、「自然物は鉱物界、植物界、動物界の三界に区分され、鉱物は成長する。植物は成長し、生きる。動物は成長し、生き、感覚を持つ」と定義された。宗教観から考えると、万物には命があり非物質的な抽象概念としての命を指す、と捉え「生命を宿している」を作品にした。
樹齢1600年。前方後円墳が作られていた頃から生きていると考えられる。仏教が日本に伝わるより前からだと考えると、そのスケール感は信じられないほど壮大だ。
巨樹には亀、龍、象の姿がある。全て仏教に関する動物というのも不思議。龍も象も、まるで生きているかのような生命力を感じ、命が宿っている事が実感できる。掲載写真は亀。
パワースポットという言葉をよく耳にするが、そんな軽い言葉では表現したくない命の巨樹だ。
LUMIX DC-S5
SIGMA 14-24mmF2.8 DG DN
F6.3 25秒 ISO640